2023.11.19
コミュニケーションのための「2 : 6 : 2 の法則」
「 あれ?いつものコミュニケーションが通用しないぞ・・・? 」
心の中で、そのように感じた経験が、あなたも一度はあるかと思います。
人が集まる場所では、常に、この『 2:6:2の法則 』が働くと言われています。
組織マネジメントやコミュニケーションに活かすために、『 2 : 6 : 2の法則 』をご紹介し、
ご自身の環境に照らし合わせて頂きたいと思います。
そして、それぞれの特徴を理解し、その特徴にあわせたアプローチの仕方を
催眠心理とNLP心理学の観点からお伝えしていきたいと思います。
目次
そもそも、「2 : 6 : 2 の法則」って?
「 2:6:2の法則 」とは、どんな集団でも、
●上位層 2割
●中間層 6割
●下位層 2割
の割合になると言われています。
どのような社会的集団に所属していようと、活発に動く人2割、普通の人6割、動かない人2割に分かれていくということです。
この法則は、「働きアリの法則」とも言われています。
● 上位層の2割・・・よく働きます。エサを探したり、赤ちゃんアリの世話をします。
● 中間層の6割・・・一般的な働き方をします
● 下位層の2割・・・働かずに過ごしています。
このように分けられるというものです。
興味深いのは、中間層と下位層を切り離して、上位層の2割だけを集めてグループをつくると、普遍の法則が働き、この中で上位層2割、中間層6割、下位層2割の働きアリに分かれると言われています。
この「 2 : 6 : 2の法則 」は、イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートの研究から生まれた「パレートの法則」というものからきています。
パレートの法則
パレートの法則とは、集団の上位2割の人が、利益の8割を生み出しており、残り8割の人が利益の2割を生み出しているというものです。
パレートの法則はビジネスに限らず、身の回りで多く見ることができます。例えば、
- 成果の8割は、費やした時間の2割で生み出されている。
- 持っている服の8割はあまり着ない服で、残りの2割がよく着る服
- 使っているパソコンや車の機能の、8割は使わない機能で、残り2割の機能で目的を満たしている
こういったことにも当てはまります。あなたの身の回りにも必ずありますので、ぜひ探してみてください。
さて、ここからはコミュニケーションの場面における「 2 : 6 : 2 の法則」について、ご紹介して行きたいと思います。
コミュニケーションにおける「 2 : 6 : 2 の法則 」
この法則は、人間関係においても当てはまると言われています。
例えば、どのような集団に所属していたとしても、あなたに対して
● 好意的な人・・・2割
● どちらでもない人・・・6割
● 好意的ではない人・・・2割
と、されています。また、「会話」という点で見れば、
● 会話が弾み、話しやすい人・・・2割
● 会話ができる人・・・6割
● 話しにくい人・・・2割
となります。自分がどこの割合に位置するのかは、所属する集団によって変わると言われています。
それゆえ、一概にあなたがどこの割合に位置するかを断言することはできません。
そして、ここからはこの「会話」という点において、それぞれの割合に位置する相手に対し、どのようにアプローチをしていけばいいのか、についてお伝えしていこうと思います。
会話が弾み、話しやすい相手(2割)へのアプローチ
この割合に位置するお相手は、あなたと深い信頼関係にあります。
会話が楽しく、共に過ごす時間を、かけがえのないものと感じます。
このレベルのお相手には、軽いいじり・ディスり・冗談を交えることで、より関係を強化することができます。
ただし、「親しき中にも礼儀あり」と言うように、行き過ぎた冗談にならないよう注意しましょう。
会話ができる人(6割)へのアプローチ
この割合に位置するお相手は、挨拶や何気ない会話はできますが、本当はもっと盛り上がりたいと思っています。
このレベルのお相手には、あなたが発話する時間を意識的に減らし、代わりに「傾聴」を意識してみましょう。
人は、自分の話に興味を持って聞いてくれる相手に対し、好意を抱きます。
傾聴をする時は、以前のブログでも書きましたが、お相手が
● 大切にしているものは何か?(価値観)
● どんなことを信じているのだろう?(信念)
● どんな存在でありたいと思っているのだろう?(アイデンティティー)
● どんなことで貢献したいと望んでいるのだろう?(ビジョン・ミッション)
こういったことを探しながら傾聴し、そこに「共感」していきましょう。
そうすることで、お相手はあなたともっと話したいと思うようになり、自らの話をしてくれます。
相手のことを考え尊重することで、やりとりを重ねる内に信頼関係が深くなり、より内面的なことを言える関係になっていきます。
話しにくい人(2割)へのアプローチ
どんな人にも、苦手な人はいるものです。たとえ、あなたに落ち度がなかったとしても、穿った見方をしたり、批判的にものを言ってくる人は必ずいます。
先述しました通り、あなたがどのグループに所属していても、好意的ではない人は2割いるとされています。
こうした相手には、まず以下の2つのやり方をおすすめします。
① 共通点を見出し、積極的に開示する。
② お相手の自己重要感を満たす。
① 共通点を見出し、積極的に開示する。
人は、自分と似た相手に好意を持つという性質があります。
自分と似た相手だと認識することで、敵ではなく味方であるという動物の本能的な安心感を生み出します。
この安心感が生まれないと、関係性を次の段階へ進めることができませんので、まずはこの安心感を生み出すために共通点を探し、口に出していきましょう。
例
- 出身地
- 趣味
- 好きなもの
こうした些細なことが、極めて大きな効果を生み出します。
もし、いきなり共通点を見出すのが難しいと感じる場合は、積極的に自己開示をしていきましょう。その際、「お相手の名前を呼ぶ」ということも意識してみてください。
名前は、その人にとって特別なものです。名前を呼ばれると、嫌でも注意が呼んだ相手に向きます。親しみを込めて呼んであげましょう。
② お相手の自己重要感を満たす。
人は、「自分のことを価値ある存在だと思いたい」と思っています。
同時に、「他者からも、自分は価値ある存在だと思ってもらいたい」と思っています。
これは、マズローの欲求階層説にも出てくるほど、強力な欲求です。
(※自己重要感、マズローの欲求階層説はこちらで詳述してあります。https://story-notes.com/blog/759/)
しかし、現代社会で暮らすほぼ全ての人は、この自己重要感が満たされることなく生きています。
そして、自分が満たされていないので、他者の自己重要感を満たそうという発想が生まれません。
したがって、あなたがお相手の自己重要感を満たせる存在になれば、お相手はあなた無しでが生きられない、というレベルの関係性ができあがるのです。
具体的なアクション
- 褒める
- 認める
- 労う
これらを、口に出していく習慣を持ちましょう。
まとめ
さて、今回の内容はいかがだったでしょうか?
人間関係にも、この「 2 : 6 : 2 の法則」は当てはまります。
どれだけコミュニケーションがうまく見える人でも、「この人と話すのは、なんか苦手だな・・・」と感じる人は必ずいるものです。
それがプライベートの場面であれば、関わらずに距離を置く、ということもできるでしょう。
しかし、職場ではそうはいきません。
そこで大切なのが、今回の内容を踏まえ、その人はどの割合の人にあてはまるのかを考え、その人にあった適切なアプローチをかけることです。
少し接し方を変えてみるだけで、お相手に反応は大きく変わるのがコミュニケーションの面白いところでもあります。
ぜひ楽しみながら、実践してみてください。
今回も最後まで呼んで頂き、ありがとうございました。
Story Notes ヒプノセラピー&NLPスクール
設楽 貴之