2023.05.18
「 あきらめた者」の末路
誰もがどこかの時点で、何かを「あきらめる」という体験をしたことがあると思います。
今回は、少し違う角度からお伝えしていこうと思います。
どうして…?
僕の街には、夏になると毎年、サーカスの一団が来ていました。
その中でも僕の一番の楽しみは動物ショーでした。
特に象がお気に入りで、舞台に上がった時の迫力はすごいものでした。
しかし、演技が終わって次の出番を待つ間、象はいつも地面のちっぽけな杭に足を鎖で繋がれていました。
その杭というのは、地面にいくらも打ち込まれていないような小さな木のかけらで、僕は疑問に思いました。
木を根こそぎ一本引き抜くほどの力を持った動物なら、杭を引っこ抜いて逃げることなど簡単だろうに…
「 一体何が、象を捕まえているんだろう…?」
「 どうして逃げないんだろう…?」
大人たちの答え
5、6歳だった僕は、大人はなんでも知っていると信じていました。
だから象の謎について、先生や家族に聞いてみました。するとだいたい、
「象は飼い馴らされているから逃げないんだよ」
と返ってきました。すると、僕は素直な疑問をぶつけるのでした。
「飼い馴らされているんだったら、どうして鎖に繋がれているの?」
残念ながら、納得がいくような答えが返ってくることはありませんでした。
賢者との出会い
時とともに、私は象と杭の謎について忘れていきました。
たまに同じサーカスの思い出を持った人に出会ったときに思い出すくらいでした。
しかし数年前、たまたま、その疑問に答えられる本当に賢い人に出会いました。
その答えはこうでした。
「サーカスの象が逃げないのは、とっても小さい時から、同じように杭に繋がれているからだよ。」
私は目を閉じて、生まれたばかりのか弱い像が、杭に繋がれたところを想像しました。
子ゾウは、押したり引いたり…汗だくになって逃げようとしていました。
でもその努力は虚しく、逃げることはできませんでした。
小さな子ゾウにとっては、杭はあまりにも大きすぎたのでした。
疲れ切って眠ってしまったこともあったでしょう…
次の日もまた、逃げようと頑張って…その次の日も、次の日も、次の日も…
そして、ついにある日…その象の一生において、一番恐ろしいことになる日がきてしまったのでした。
象は自分の無力さを認めたのでした…
そして運命に身を委ねました。
サーカスで見る大きく力強い象は、かわいそうに…
「できない」と信じ込んでいるから逃げないのでした。
たった一つの方法
この象は、生まれて間もない時に無力だと感じた、その時の記憶が頭にこびりついているのでした。
しかし何より最悪なのは…
二度とその記憶について考え直さなかったことです。
二度と自分の力を試そうとしなかったことです。
「 できない…今もできないし、これからもずっとできない…」
このメッセージを自分に埋め込んだまま大きくなったから、もう二度と杭から自由になろうとしないのです。
だからこそ、できるかどうかを知る方法は一つしかないのです。
「もう一度、全身全霊をかけて取り組んでみる…!全身全霊で、まさに今!」