2024.02.01
影響力のある人に共通する7つの特徴
僕は以前、ある有名な方の講演会に参加しました。
その方はとても明るく、笑顔が素敵で、人たらしとはまさにこの人のことだ、と思った記憶があります。
さて、その講演会の終わりには、”参加者からの質問”というコーナーがありました。
そしてその中で、「人生で大切なことはなんですか?」という質問が上がりました。
すると彼は、
「人を大切にすることです。目の前の人を大切にしてください。」
と教えてくれました。それを聞いた僕は、率直に思いました。
(そんな言葉、僕でも言えるわ…。)
しかし、それを聞いた多くの参加者たち…実は経営者が多かったのですが、皆一様にメモをとったのです。
僕は不思議に思いました。そんな誰にでも言えるようなセリフを、これだけのすごい経営者たちは、なぜ真剣にメモを取ったのだろう?
おそらく、僕が同じセリフを言っても、彼らはメモを取らなかったと思うのです。
後に僕は、そこに”影響力”と呼ばれるサイレント・パワーが働いていたことに気付きました。
今回は、そのサイレント・パワーを生み出す重要な要素を7つ、ご紹介したいと思います。
目次
影響力とは?
このような人は身近にいませんか?
● なぜだか、この人の言葉は信じられる
● あの人が言うなら、やってみよう
● 一緒にいると、気持ちが前向きになる
● この人は自分に、自信をくれる
きっと、職場や友人、家族、芸能人、はたまたドラマや漫画のキャラクターなど、あなたの中で、この人の言葉を信じてやれば、いい結果が生まれると信じて、行動した経験があるのではないでしょうか。
その時、あなたはその人に影響を受け、自身の考え方や行動を変えたことが分かります。
人は誰しも、”いつもの自分”というものを持っています。しかし、影響力を持つ人が近くにいると、その”いつもの自分”を容易く超えることができるのです。
このように、影響力とは、「自身の枠組みを超えるのに必要なエネルギーを喚起する力」であり、それを持つ人は、良くも悪くも”現状”を超える助けを、さりげなくしてくれるのです。
今回は、そうした影響力を良い方向で発揮していくためのヒントをご紹介したいと思います。
影響力の原則
影響力には原則があります。
「求めれば失い、与えれば手に入る」
”自分ってすごいんだぞ!”とアピールすればするほど、周囲の目には、その人は小物に映ります。
自分でアピールしないと気付いてもらえない時点で小物なのです。
一方、本当にすごい人は、わざわざ言葉にする必要がありません。背中が代わりに語ってくれます。
また、「実るほど頭を垂れる稲穂かな」と言われるように、自分よりも他人を気遣う言動が多いものです。
人の良い点を見つけて褒めたり、してくれた行為に感謝し、労うことをまめにしてくれる人は、相手にとっては心の支えとなり、なくてはならない存在になります。
では、ここから、影響力のある人を例にとりながらご紹介していきたいと思います。
影響力のある人に共通する7つの特徴
影響力のある人には特徴があります。これらは、ロバート・B・チャルディーニ氏が言うところにも当てはまります。
笑顔が多く、愛嬌がある
あなたはどちらの人と一緒にいたいですか?
● 終始、不機嫌な顔の人
● 笑顔が多く、愛嬌のある人
おそらく後者なのではないでしょうか?
それは非言語のメッセージとして、あなたの無意識には
● 終始、不機嫌な顔の人 ➡︎ 「あなたのことが嫌いです。あなたを認めません。」
● 笑顔が多く、愛嬌がある人 ➡︎ 「あなたのことが好きです。あなたを認めます。」
このように伝わるからです。そして、そこには返報性の法則が働きます。
あなたに好意を抱き、良くしてくれる人には、好意のお返しをしたくなるのです。
このように、自然と相手の心に働きかけて好意を生み出し、行動を誘う力が笑顔にはあるのです。
相手に関心を持っている
あなたはどちらの人の話をもっと聞きたいと思いますか?
● 相手の話を聞かず、自分の話ばかりする人(自分に関心がある)
● 相手の立場に立ち、相手の話を聞き、相手に関係のある話をしてくれる人(相手に関心がある)
これは、僕が講座の中でよくテーマとしてあげることでもあります。
話が長くつまらない人と、話が長いにも関わらず時間を忘れて没頭してしまうくらい話がうまい人、この両者の決定的な違うはなんだと思いますか?
それは、「自分の話をしているか、それとも相手の話をしているか」の違いです。
相手が最も興味があるのは、あなたではなく、相手自身のことです。
話がうまい人は、自分の話をしているようで、実は相手の話をしているのです。
面倒な客の話はろくに聞かないのに、占い師の話は、たとえ占いを信じていなくても耳を傾けてしまうのはこのためです。話がうまい人の話の主体は、常に”相手”なのです。
影響力を発揮する人は、常に相手に関心を持っています。
相手を観察し、相手の話を聞き、相手にとって意味のあるものを提供しようとします。そうした人は、相手からすると心の支えであり、なくてはならない存在となります。この時、影響力が生まれるのです。
”感謝” と ”お詫び” を大切にしている
影響力のある人は、感謝とお詫びが徹底しているという特徴があります。
あなたは、誰かに何かをしてもらった時、しっかりと言葉や形にして感謝を伝えられているでしょうか?
「ありがとう」という言葉は簡単に伝えることができます。しかし、してもらったことを、当たり前だと思っている人は、伝えることができません。
私たちは気付いていないだけで、実は自分にできない多くのことを他人からしてもらっています。
● お金を出すだけで、それを買えるのは誰のおかげ?
● 駅できれいなトイレを使えるのは誰のおかげ?
● 職場の備品がなくならないのは誰のおかげ?
● 給料をもらえるのは誰のおかげ?
感謝の気持ちをしっかりと伝えられる人は、相手がどれだけすごいことを自分にしてくれているのかに気付いています。だからこそ、相手のことを大切に思い、感謝に満ちた人生を送れるのです。
そして、お詫びも同様です。
お詫びは、感謝よりも簡単には伝えられない人が多いと思います。
なぜなら、自分の誤りを認めるということは、自分の恥ずかしい姿も隠さずに見せるという事だからです。
しかし、ここに影響力をつくり出すヒントがあります。
誤りを認めるということは、多くの場合負けを意味します。負けは、動物の世界では死を意味します。
しかし、それをあえてできるということは、その人は強者だからできるのです。ライオンはネズミの前で負けを認めてお腹を見せても痛くも痒くもありません。しかし、ネズミが同じことをやれば、たちまち食べられてしまうので、おいそれと負けを認めることはできません。
お詫びができるのは、器の大きな証拠でもあるのです。
周りに元気に与えられる
あなたはどちらの人と一緒にいたいでしょう?
● いつも否定的なことを言って、周囲のやる気やエネルギーを奪う人
● いつも前向きに行動し、周囲にやる気とエネルギーを与える人
人は、自分を認めてくれたり、背中を押しをしてくれる存在を味方として捉えます。
一方で、自分を否定し足を引っ張る存在を敵として捉えます。
これは動物的な観点から見れば分かりやすいはずです。
集団で生きる社会的動物の人間は、集団に良い影響を与える存在を、無意識レベルで重要な存在として認めます。一方で、集団に悪影響を与えるような存在は即刻排除しようとします。
あなたが周囲に元気を与え、皆の行動を後押しできる存在であることは、皆にとってかけがえのない存在であることを意味します。
だからこそ、その貴重な存在であるあなたには影響力が宿るのです。
言葉と行動が一致している
あなたはどちらの人を信じますか?
● 感謝が大切です!と言いながら、全く感謝が見られない上司
● 感謝が大切です!と言いながら、日々、部下たちに感謝を示している上司
私たちは常に、言語情報と非言語情報が一致しているか絶え間なくチェックしています。
一致していればその人のことを信じられますが、一致していないように見えた場合、その人は嘘つきな存在になります。私たちは身を守るために、嘘つきは極力遠ざけようとするのです。
あなたが周囲に嘘つきだと思われないためにも、あなたが大切だと示したいことは、人に言う前にまず自分が実践する必要があるのです。
さて、あなたが大切にしていることはなんですか?
自分の考えをはっきり持っている
影響力を持つ人は決まって、自分の考えをはっきり持っているという特徴があります。
あなたはどちらの人を信じますか?
● コロコロと意見が変わって何をしたいのかわからない人
● 自分の考えを持っていて、はっきり意見を言える人
もちろん、過ぎたるは及ばざるが如しですので、あまりに頑固に自分の意見を曲げないのも問題ですが、柔軟で他人の考えを認めながらも、自分の考えも尊重できる人は器が大きく見えるものです。
元々、人は、わかりやすい人を好む傾向があります。コロコロ意見が変わる人と一緒にいると、先の予測がつかず身に危険が及ぶ可能性が高まるので、なるべく先が読める、わかりやすい人を好むのです。
自分の考えを持っていて、はっきりとそれを述べることは、同時に、周囲に分かりやすさと安心感を与えることにもつながっているのです。
コミュニケーション能力が高い
自分の伝えたいことを、伝えたいように話すことはコミュニケーションとは言えません。
もしあなたが恋人に愛を伝えたくて大声で叫んでも、それは時として騒音になったり、暴力になる場合があります。私たちは、特定の相手に、その相手が受け取りやすい形にメッセージを加工して伝える技術が必要です。
もしあなたが、相手の忙しさなど気にせず、「これお願いね!」と要求を丸投げし、ポジションパワーだけで人を動かした場合、それは影響力があるとは言えません。
相手が喜んでその行動を自ら取りたくなるような関わりができて初めて、影響力は最大化するのです。
「忙しい中すまないね。どうしても君にやって欲しい案件があるんだ。相談したいから、手が空いたら声をかけてくれないかい?」
これは一例に過ぎませんが、相手がより労力をかけず、スムーズに「イエス」と言ってくれるためには、要求の階段の1ステップは、可能な限り小さいものがいいのです。
こうした言葉掛けは、ある意味、相手への最大の気遣いと言えます。
要求の衝撃をできるだけ少なくして、相手が受け取りやすくしてあげるために、労力はこちらで受け持つのです。
さて、あなたのコミュニケーション能力はいかがでしょうか?
終わりに
さて、今回の内容はいかがだったでしょうか?
ここに書かれている内容は、至極当たり前のことのように感じられたかもしれません。
しかし、当たり前のことをハイクオリティーで徹底している人は極めて稀です。
もしかしたら、全人口の3%もいないかもしれません。
すでにお気づきかもしれませんが、影響力は言外に働きます。
非言語部分、あるいは言葉の行間部分が強力に物を言うのです。それは、学校では教わらないマルチレベルのコミュニケーションです。
もし、あなたが影響力というものをさらに探求したい場合、ミルトン・エリクソンという方に関連した本を読んで頂くことをお勧めします。そこに書かれているコミュニケーションの多様さと面白さに触れ、きっとあなたもコミュニケーションの達人になる一歩を踏み出すきっかけをくれるでしょう。
もし、あなたがミルトン・エリクソンの卓越したコミュニケーションを手に入れたいと考えてるなら、こちらよりトレーニングにエントリー可能です。
https://story-notes.com/artist/
あなたにお会いできる日を楽しみにしております。
今回も、最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
Story Notes ヒプノセラピー&NLPスクール
設楽 貴之