2023.09.11
『変化する』ということ
●「今できないことが、できるようになりたい」
●「今していることをやめたい」
もしもあなたが、このような悩みをお持ちであれば、今回の内容は特に、
あなたが望んだ方向へと変化していくヒントとして活用して頂くことができます。
20世紀最高の心理療法家
あなたは、ミルトン・エリクソンという方をご存知でしょうか?
彼は、20世紀最高の心理療法家であり、催眠療法家として知られています。
今日は、そんな彼の子供時代の逸話からスタートしていきたいと思います。
エリクソン少年と雪道
ある冬の朝、エリクソン少年は、前の晩に降った大雪で道がすっぽり埋もれてしまっていることに気づきました。
そこで、彼は町のみんなのために雪かきをしてあげようと思いました。
そしていざ雪かきを始めた時、ふとイタズラ心が湧きました。
「どうせなら、真っ直ぐの道じゃなくて、ぐるっと遠回りの道を作ってみたら、
みんなはどんなふうに通っていくんだろう?」
真っ直ぐ歩いていけば、向こう側にはすぐ着く距離です。
しかしそれを、エリクソン少年はわざと、ぐるーっと遠回りになる道を掘ってみました。
そして雪かきが終わると、家の中に隠れ、道いく人たちがどう動くのかをこっそり観察しました。
すると人々は、エリクソン少年が作った遠回りの道を、律儀になぞって歩いていったのです。
まっすぐ歩けば、20秒ほどで着くであろう距離を、2分もかけて遠回するのです。
「あ〜なるほど…人ってそういうふうに動くんだ。」
エリクソン少年は学びました。
人々は、知っていたのです。
まだ雪が積もっていて、道がないところを歩くよりも、すでに作られている道を歩く方が楽だということを。
なんで雷は、カクカク落ちるの?
私は小さい頃から疑問に思っていたことがあります。
「なんで雷は、あんなにもカクカクして落ちるんだろう?」
真っ直ぐ落下した方が近いのに…
そんなある時、私はテレビでその答えを知りました。
学者はこう語っていました。
「雷は、空気中で最も抵抗が少ない、通りやすい道を選び、最小限のエネルギーで通り抜けるから。」
『 最小限の努力 』
無意識にも、雷と全く同じ性質があります。
『 “最小限の努力”という基本原理に基づいて機能する 』
人というのは、既にできている道や、一度通ったことのある道ほど楽だと感じます。
なぜなら、一度経験すると、少ない心的努力で実行することが可能になるからです。
それが例え、頭で考えたら不合理な、遠回りな道だと分かっていても、
わざわざ雪の積もっている、まだ舗装されていない道を歩いて、靴の中に入る雪に不快感を感じながら進むようなことは避けたいのです。
『 変化の原理 』
思考や行動のパターンにおいて、私たちは現在に至るまで、たくさんの雪道を踏み固めて、歩きやすい道を作りながら、生きてくるものです。
そして、やがては頭で考えなくても、無意識が自動的に実行してくれるようになります。
それはすなわち、思考や行動がパターン化され、少ない心的努力で実行可能になっている状態と言えます。
しかし、ちょっとここで振り返ってほしいと思います。
今のあなたよりもずっとずっと若い、未熟だったあなたが掘った道は、遠回りな道になっていないでしょうか?
多くの人生経験を積んだ現在のあなた、成長した今のあなたなら、簡単に向こう側へと歩いていける…
それなのに、未熟だった頃の自分が掘った、遠回りの、慣れ親しんだ道ばかりを、律儀になぞって通っていないでしょうか?
私たちが新しい思考や行動を身につけるということは、いわば、新雪の積もった道を、踏み固めながら、歩きやすく舗装していく作業のようなものです。
ですので、
靴の中に雪が入って不快感を感じることもあるでしょう。
雪に足を取られて、転んでしまうこともあるでしょう。
慣れ親しんだ道に引っ張られる自分も出てくることでしょう。
それでも、成長した今のあなたなら、頭で考えている以上に、その道を簡単に作ることができます。
諦めずに、反復すること…
今自分は、雪道を踏み固めているプロセスにいるんだと考えること…
その時、あなたの無意識は立ち上がり、この変化を肯定的に捉え、
歩きやすい、最短の道を作ることにやがて手を貸してくれるようになるのです。
催眠という技術を用いる理由
以前のブログで詳細を書かさせて頂きましたが、催眠とは、
『 変化と成長を生む最高の学習状態 』を作る技術です。(https://story-notes.com/blog/601/)
ですので、新しい思考や行動を身についていくとき、催眠は強力なツールとなります。
また、自身の古いパターンを手放し、より適応可能な状態へと再学習(アップデート)することも助けてくれます。
「催眠」は、無意識の領域を専門的に扱う分野です。
そして無意識の性質を知れば、悩みを手放していくヒントを得ることができます。
今回の内容で、あなたの悩みが少しでも軽くなったり、あるいは解決のヒントとなってくれたら、
これに勝る喜びはありません。
最後まで読んで頂き、有難うございました。
Story Notes ヒプノセラピー&NLPスクール
設楽 貴之