2023.05.25
人生を好転させる “ 暗示 ”
日常に催眠があふれていることはお伝えしましたが、”暗示”はそれ以上にあふれています。
今回は、暗示についてみていきましょう。
目次
暗示の威力
私と兄妹のお話しです。
私は大人になるにつれ、仙台、大阪、東京と、より大きな都市へ、大きな都市へと移動していきました。
都会に憧れていたわけではないのですが、なぜだか自然と東京に流れ着きました。
一方、私の兄妹は、大学では県外に出たものの、すぐに実家に戻りました。
さて、ある正月のことです。私が久しぶりに実家に帰ったとき、母が昔の懐かしい物を押し入れから引っ張り出してきました。
それは小学生の時に金賞を取った「書き初め」の標本でした。
私の小学校では、冬休みの課題の中に必ず書き初め(習字)がありました。祖父が習字の先生だったこともあり、それはそれはいっぱい書かされたものです。
特に私が何度も書いた言葉は、「広い世界」という言葉でした。
一方、私の兄妹が書いた言葉は、「愛する郷土」という言葉でした。
もう何が起こっていたのか、お気づきですね?
暗示とは
暗示とは、思考や行動のパターンに影響を与える全てのものを指します。
言葉を用いるものから用いないものまで、暗示は多岐に渡ります。
暗示の種類
言葉を使う暗示
【 直接的な暗示 】
命令や直接的な言葉が直接的な暗示に当たります。このタイプの暗示は顕在意識に訴えかけるため、抵抗されたり否定的な反応が起こることがあります。
〈 直接暗示の例 〉
- 「窓を閉めてください。」
- 「こっちへきなさい」
【 間接的な暗示 】
顕在意識をすり抜けて潜在意識へ直接向かいます。否定的な反応はほとんど起こりません。
〈 間接暗示の例 〉
- 窓を閉めていただけますか?
- こちらへ来ることはできますか? (会話の公準)
【 決まり文句 】
くり返し自分に投げかけてしまっている言葉です。くり返しているうちに、やがて現実になります。
〈 決まり文句の例 〉
- 「時間がない」
- 「お金がないとできない」
- 「才能がないから私には無理」
※ これらは、自己否定的な暗示です。人生を好転させたい方は、このページの最後の暗示をご自身に投げかけることをオススメします。
【 現実化するメタファー(比喩)】
比喩的に用いる表現は、顕在意識をすり抜けやすく、頻繁にくり返すと現実化してしまいます。
〈 現実化するメタファーの例 〉
- 「美しい薔薇には棘がある」→ 美しい女性には必ず裏がある、と思い込む。
- 「人生、山あり谷あり」→ 良いことの後には必ず悪いことが来る、と思い込む。
- 「私はカゴの中の鳥だ」→ 自分には自由がない、と思い込む。
【 身体言語の暗示 】
体の部位を使った表現であり、くり返していると関連している部位に支障をきたします。
〈 身体言語の暗示の例 〉
- 「重荷を背負う」→ 肩が凝る、腰が痛む
- 「あいつは頭痛の種だ」→頭痛がしてくる
- 「あの人といると気が滅入る」→病気を引き起こす
言葉を使わない暗示
言葉を伴わず、しぐさ、動作、音などを用いた暗示です。受け取った側は気付かないうちに応答していることが多いです。
【 同調の暗示 】
無意識レベルで相手と同調し、同じ反応が誘発されます。
- あくび → あなたがあくびをすると、相手もあくびをする。
- 笑顔 → あなたが微笑むと、相手も微笑む
- 視線 → あなたが視線を向けた先を、相手もつられてみる
【 推量の暗示 】
相手の反応を見て、その意味を推し量らせる暗示です。
- うなずく → 「了承しました」を相手に推し量らせる
- 隣の席をポンポンと叩く → 「ここへ座りなさい」を推し量らせる
- 頭を深く下げる → 「ごめんなさい」、「ありがとう」、「敬意」、など
【 権威的な暗示 】
権威的な象徴に無意識に従う暗示です。
- 医者を信じる
- 子供が親を信じる
- 社長に従う
【 感情的な暗示 】
人によって引き起こされる反応は様々ですが、何らかの刺激によって感情反応が誘発される暗示です。
- 怒鳴り声を聞く → パニックになる
- 反論される → 怒る
- 優しくされる → 嬉しくなる、泣く、など
【 社会的な暗示 】
どこかに属したい、人と同じでいたい、という個人の欲求に訴える暗示です。
- ファッション → 今の流行りは〇〇
- 政治 → 自分の意見を代表する候補者に投票する
暗示のルール
暗示には、効果を発揮させるために5つの基本ルールがあります。
暗示の5大ルール
暗示は、望むゴールが今まさに起きていることのように、クリアーにイメージできる表現であるほど効果を発揮します。
- 肯定形で
- 現実的に
- 具体的に
- 現在形で
- くり返す
暗示例 〜ダイエット〜
季節的に、夏に向けてダイエットを始める方も多いのではないでしょうか?
今回はダイエットの暗示を作ってみたいと思います。
例えば、あなたのゴールが「夏までに55kgになる」だとします。すると暗示はこのようになります。
例
「2023年、8月1日、私は自宅にいて、脱衣所にある体重計に乗っています。
体重計が55kgを指しています。
私はそのことを、パートナーに誇らしげに告げています。
それを聞いて、私のパートナーも喜んでいます。「すごいね!よくやったね!」と言っています。
私の子どもも喜んでいます。とても良い気持ちです。
次に、街を歩いているところを想像します。ふと、ガラスに映っている自分の姿が目に止まります。
スリムになった私は、着たい服を見事に着こなしています。その姿を見て、とても良い気分を味わっています。
私はスリムな状態を維持することで、仕事もプライベートも、さらに前向きに生きていきます。
今度は、今の自分に意識を向けます。私はこの目標を楽に達成します。私は食事の量を調整します。カロリーを制限することができます。そうすることで日に日に、この目標を達成する力が強くなります。」
必要な部分をご自身に合わせて、何回もくり返しましょう。
人生を好転させるパワフルな暗示
望む人生を生きたければ、この暗示の使い方を学びましょう。
自分の中にあるリソースに意識を向け、望む結果を得る最短のルートを無意識が選んでくれます。
- 私は〇〇を持っている。(リソース、能力)
- 私は〇〇することができる。(能力)
- 私は〇〇を大切にしている。(価値観)
- 私は〇〇である。(アイデンティティー)
- 私がいることで、世界に〇〇をもたらすことができる。(ビジョン・ミッション)
例えば「仕事」であれば、
私は、専門的な知識と頼れる仲間を持っている。
私は、営業先でも笑顔で丁寧な説明をすることができる。
私はいつも、笑顔を大切にしています。
私は、人に笑顔を届ける人です。
私がいることで、世界に笑顔と元気をもたらすことができます。
となります。自分の持っているリソースに目を向け、ぜひ作ってみてください。
あなたがこれを毎日くり返した時、ご自身の変化に気付き驚かれることでしょう。