2023.05.05
日常は催眠だらけ
あなたの好きな“映画”はなんですか?
私はディズニー作品が好きで、特に「美女と野獣」と「アラジン」はくり返し見たものです。
今思えば、どちらも最後は呪いから解放される物語りなので、知らず知らずのうちに、今の自分になんらかの影響を与えていたように思います。
さて、今回は映画を絡めながら、催眠についてお伝えしていこうと思います。
ありえない世界
映画の中では、現実ではありえないことがたくさん起こります。
人間が空を飛んだり、剣から炎が吹き出したり、突然みんなで歌い出したり…
しかし、「そんなのありえない!」と怒って映画館を出ていった人を、私は見たことがありません。
ほとんどの人は、フィクションであるにも関わらず、泣いたり、笑ったり、手に汗を握ったりします。
よくよく考えてみれば、不思議だとは思いませんか?
非現実の映像を見ているだけなのに、体は現実の体験と同じ反応をしている…
一体なぜ、このような現象は起こるのでしょう?
世界に没入する体験
映画を楽しむコツは、その世界に没入することです。
逆にその世界に入り込まず、分析的に眺めていると、極めて退屈な時間になってしまいます。
例えば、有名なホラー映画、貞子さん。
「テレビから人がゆっくり出てくるなんて、演技するの大変だったろうな。その演技を、裏側で何十人というスタッフが、カメラや音響設備を持って汗水垂らして撮ってるんだろうな。スタッフも頑張ってるんだな。」
こんな見方で映画をいちいち分析していては、楽しむことは難しいでしょう。
“ 信じられない ” という気持ちの「自発的な停止」
では、映画の世界に没入する時、一体何が起きているのでしょう?
ご自身の体験を振り返りながら、思い返してみるのも面白いかもしれません。
映画が始まると、私たちは画面をじっと見続けます。そして、初めは理解しようと頭を働かせますが、やがて
「あぁ、なるほど、こういう世界観か。」
と「前提」を受け入れます。このプロセスを経たとき、現実ではありえないことに対して
“ 信じられない ” という気落ちを自発的に停止させます。
ここからゆっくりと没入が始まります。
加えて、無意識の性質に「全てを個人事として受け取る」というものがあります。
主語は常に「私」なのです。体験する事象や物語りは全て自分ごととして受け取ります。
登場するキャラクターたちが織りなすドラマは好奇心を生み出します。
音は臨場感を演出します。そしてじっと画面を見つめることで注意が一点に集中し、没入が誘発されるのです。
トランス(催眠)状態
この没入している時の状態が、一種の催眠状態です。この状態の特徴を挙げると、
- 注意が一箇所に集中している
- 体験に没入している
- 想像力が活発に働いている
などが挙げられます。このように、私たちは日常でも催眠状態を経験しているのです。
日常のトランス(催眠)現象
日常で催眠状態が引き起こされる場面は多くあります。
- 映画、テレビ、スマホ、動画を見ている
- 音楽を聴いている
- 仕事に集中している
- レストランで食事をしている
- 高速道路を走っている
- 読書をしている etc…
このように、私たちがトランス(催眠)状態に入っている場面は多くあることがわかります。
そして1日のうちでも、何度も出たり入ったりをくり返しているのです。
催眠は危ない…?
答えはNOだということが、ここまで読んでくださった方であれば分かると思います。
私たちは小さい頃から、当たり前のように、この状態を何度も経験してきているのです。
ヒプノセラピー
ヒプノセラピーでは、この状態を意図的に引き起こしてセラピーを行なっていきます。
次のブログでは、なぜわざわざトランス(催眠)状態を引き起こすのかについてお伝えしていきます。